日本科学者会議山口支部ニュース 第197号(通算)(2022年7月1日) |
つ う し ん |
抜粋WEB版 2022-9-23 |
原発をつくらせない山口県民の会第26回総会・学習会が開かれました5月21日に山口市内で原発をつくらせない山口県民の会の第26回総会が開かれ、会の筆頭代表委員の増山博行氏が挨拶をしました。 総会では1年間の取り組みを総括し、上関原発をつくらせないために、引き続き、地道な取り組みを継続していくことが確認されました。 2011年の福島原発事故の後からはじめた金曜日パレードは最近では月1の取り組みで山口市内中心街をめぐっており、来年3月の200回の節目を迎えます。総会で採択された運動方針(抜粋)を資料として掲載します。 (4)山口市で毎月第2金曜日に行われている「反原発金曜パレード」について、その中心母体としてすすめていきます。さらに各団体や個人にも参加を呼びかけます。 (5)国のエネルギー政策の問題点を明らかにし、再生可能エネルギーの普及を幅広く県民に訴えていきます。 (12)中国電力に対し、上関原発建設計画を全面的に断念するよう求めます。 (13)山口県に対し、上関町田ノ浦の埋め立て工事を再開させないよう、さらに埋め立て免許の延長許可を撤回するよう求めていきます。 総会に引き続いて、学習会が開催されました。講師はJSA福岡支部の岡本良治氏で、核兵器や原発に詳しい原子核理論の物理学者であり、 近年、CO2増加による気候変動が不可逆的に進むことも核兵器同様に地球の全生物への脅威であると考えて研究を進めています。 今回はロシアによるウクライナ侵略戦争という深刻な事態が生起する中、山口県民の会事務局からの要請に応え 「気候危機への対処に原発を使うべきか -ロシアによるウクライナ侵略戦争の暫定的教訓をふまえて-」と題して1時間の遠隔講演を行いました。 会場外のオンライン参加を含めた20数名の参加者との間で30分の活発な質疑がありました。 岡本氏の講演概略を紹介します。 ・ロシアによるウクライナ侵略戦争は安全保障とエネルギーが強く関連していること、および脱ロシア・エネルギーの緊急性を明らかにした。 ・気候危機の影響緩和のための手段の一つとして、原発を使うべきではない多くの理由がある。 原発は出力調整が困難であり、化石燃料発電との併用が不可避 稼働に伴い放出する放射能は広範囲に、確率的に影響をもたらす 過酷事故のリスクは否定できないし、高レベル放射性廃棄物の処理のあてはない 安全対策強化に伴う原発電力の価格上昇で、市場原理では成り立たなくなってきている 原発のライフサイクルで見ると火力発電よりは少ないが風力や太陽光発電よりもCO2排出量は多い ミサイルによる攻撃を防げる原発は世界に一つもないし、核兵器そのものよりも原発が持つ死の灰は膨大であり、破壊されれば広範囲に甚大な被害をもたらす。 ・しかし、原発反対を、原発を必要悪と考えている人々にも納得してもらうには、そのための実現可能な、説得力の高い代替手段を提示することが必要である。 ・気候危機の影響緩和のための節目の2030年までの移行戦略と脱ロシア・エネルギーのために、相対的に即効性の高い手段は、まず省エネの深堀り(エネルギー需要の低減、エネルギー効率改善)、次に再エネ開発の加速化である。 なお、講演のビデオの視聴を希望する人はJSA山口支部事務局に申し出てください。 |
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