日本科学者会議山口支部ニュース 第204号(通算)(2024年5月16日) |
つ う し ん |
WEB版 2024-5-12 |
原発をつくらせない山口県民の会総会・学習会に参加して |
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例年より1ヶ月以上早く、原発をつくらせない山口県民の会の第28回総会が4月6日(土)の午後、小郡ふれあいセンターで開催された。総会に引き続いて学習会が催され、50名以上の市民が参加していた。 今回の総会では、1年間の運動の総括と次年度の方針が議論されたが、話題の中心は中国電力+関西電力による、上関町での使用済み核燃料の中間貯蔵施設計画であり、上関原発計画に反対すると同時に貯蔵施設反対の方針が確認された。 総会の冒頭、会の世話人筆頭の増山氏の挨拶を引用しておく。 総会に引き続いて開催された学習会の演題は「原子力は人類の手に負えるのか」で、関心のある市民50名以上が聴講した。講師の森重晴雄氏は山口県の出身で、大学で原子核工学と土木工学を修めた後、三菱重工に就職し、原発基礎の耐震研究や伊方原発の炉心据え付けなどに関わった専門技術者である。現在は神戸で再生エネルギーの研究のかたわら、福島第一の破壊された圧力容器下部の公開データを解析し、警鐘を鳴らす活動を行っている。 講演内容は氏の近著「差し迫る、福島原発1号機の倒壊と日本滅亡」(せせらぎ出版)に詳細に記述されている。炉心が融解し、デブリが圧力容器を貫通して原子炉本体を支える機能を喪失している福島第1の1号炉が特に危険であり、目処が立たないデブリ取り出しに関わるよりも緊急な補強工事を行わないと、震度6強の地震で倒壊して核燃料プールを破壊して、取り返しのつかないことになる。東電も経産省も技術の基本が分かっておらず、とうてい原発を扱う能力も資格もないと断罪された。 講演では福島原発事故でのベントの失敗と水素爆発に関する興味深い解説もあった。 |
支部活動日誌 |
3月23日 上関原発を建てさせない山口大集会(維新公園、800人参加) 4月6日 原発をつくらせない山口県民の会総会・学習会(小郡ふれあいセンター 50人参加) 5月3日 憲法を守る山口集会(山口市民会館小ホール、120人参加) |
編集後記
4月23日、中国電力は上関町で中間貯蔵施設予定地のボーリング調査を開始した。5月10日、原発立地佐賀県玄海町長は「核のゴミ」最終処分場の文献調査受け入れを表明した。玄海町は適地マップでは好ましくないとされているのに、経産省が申し入れたという。なりふり構わる原発推進の政府の姿勢があからさまである。支部としての活動だけでなく、会員個人の科学者としての取り組みも紹介したいので、記事の投稿をお願いします。また、https://jsayama.seesaa.net/ のような会員個人のプログ・SNSなどもありましたら、紹介したいので情報提供をお願いします。 |
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