中国電力は、2023年8月に「使用済み核燃料の中間貯蔵施設を山口県上関町に建設する予定である」と発表した。
中国電力は中間貯蔵施設を「再処理工場が完成するまでの一時的な保管施設である」と説明している。
しかしながら、核燃料サイクル実施に向けた六ケ所再処理工場は、着工から30年経った現在も完成していない。
こうした状況であるにも関わらず、国は原発の再稼働を進めて、使用済み核燃料を将来にわたって作り続けようとしている。
これらは確実に次世代へ「負の遺産」を残すことになる。一方で上関町は、豊かで貴重な自然に恵まれた地域である。
こうした環境を次世代に継承することこそが上関町の未来を拓くみちである。政府は2023年3月31日に
「生物多様性国家戦略2023–2030~ネーチャーポジティブ実現に向けたロードマップ~」を閣議決定した。
上関町を含む西瀬戸内地域は、2016年に環境省が抽出した「生物多様性の観点から重要度の高い海域」に位置する。
その海域の環境を中間貯蔵施設の建設によって破壊の危険に晒すことは、国際社会において山口県を環境後進国に
貶める行為である。
今、必要な政策は中間貯蔵施設の建設ではなく、直ちに原発を停止し、これ以上使用済み核燃料を作り出さないこと、
そして一刻も早く脱原発社会を確立させることである。以上を踏まえて上関町の中間貯蔵施設建設に強く反対する。
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