日本学術会議を支援する署名を! 2020/11/18
日本学術会議会員の任命拒否に抗議し、6名の任命を求めます
山口大学教員有志


 私たち大学教員・科学者有志は、日本学術会議が発出した2020年10月2日付「第25期新規会員任命に関する要望書」に賛同し、下記の2点が速やかに行うことを強く求めます。
 1 日本学術会議が推薦した会員候補者が任命されない理由を説明すること。
 2 日本学術会議が推薦した会員候補者のうち、任命されていない方を任命すること。


 日本学術会議法では、学術会議が「優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し」(同法第17条)、会員はこうした学術会議の「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」(同法第7条)と規定しています。「基づいて」という法の解釈について、会員候補が会員の推薦に変更された2005年の法改正時に、推薦されたものを任命するという意味であると政府は答弁していました。こうした法解釈を国会に諮ることもなく、また公表することもなく勝手に変更したという論理がまかり通るならば、わが国は三権分立の民主的な法治国家であるといえるでしょうか。
 首相は任命拒否した理由を説明することなく、「総合的、俯瞰的観点から」とか、「会員の偏りが問題だ」「閉鎖的な既得権益」団体だとか、学術会議のあり方について見解を述べています。これらが根拠のないことは11月12日の学術会議会長の記者会見資料において(注1)、具体的データをもとに反証されています。
 また、首相は「推薦前の調整がされなかったから」と国会で答弁していますが、これこそ、「調整」あるいは「忖度」によって、時の政府の意のままに学術会議をコントロールするという意図の表れではないでしょうか。事前調整に名を借りた政府による学術会議への介入こそ、学術会議法から逸脱していることは明確です。
 1949年1月22日第1回学術会議総会では、「われわれは、これまでわが国の科学者がとりきたった態度について強く反省し、今後は、科学が文化国家ないし平和国家の基礎であるという確信の下に、わが国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓うものである。」という科学者としての決意声明が出されました(注2)。
 近代的民主国家では政府が学術・科学の発展方向を捻じ曲げることはせず、科学者と学界の自由な活動にゆだねています。これが日本国憲法で保障された学問の自由です。特定の学説を国家権力が排除することは、歴史を戦前に逆行させることになるでしょう。
 国民の信託に応えるべく、教育研究を担っている大学教員として、また学術の自律的発展を願っている者として、今回の首相による恣意的な法解釈変更と時の政府による恣意的な学術会議会員の選択的任命、さらには日本学術会議のあり方への乱暴な介入姿勢に強く抗議します。冒頭引用した10月2日付の日本学術会議の要望を政府は速やかに受け入れることを求めます。
    2020年11月18日
      連絡先  山口大学教職員組合
           日本科学者会議山口支部

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Version=2020/11/19